藤堂高虎によって築かれた赤木城
この城の特長は中世と近世の築城方法を併用した平山城である。南北約130mの尾根を中心にして縄張りし、主郭、南の郭、西の郭を地割りし、主郭の東側下の犬走りは来たの付け曲輪とその下方約50mの堀切に通じている。また南の郭の下には付曲輪を残しその西側には、自然の谷を空堀にした防御に備えている石垣は、野面乱層積みで反りがなく、主郭の四隅は算木積みと、横矢掛りの工法を用いている。築城当時の原形を残した城跡は全国でも少なく貴重である。-紀和町教育委員会-
藤堂高虎の築いた石垣を、確認しながら縄張を歩く
東郭と門跡
門跡

駐車場から2、3分坂道を上ると、東郭の門跡へ到着します。

算木積みが確認できます。
東郭

発掘調査は行われていなませんんが、礎石がいくつかみられることから、建物があったと考えられています。

最初に敵を迎え撃つ場所のため、石垣は高く険しく積まれています。
東郭から虎口へ

虎口下段

赤木城では通路を何度も折り曲げて二重の虎口を設け、要所には門を構えて備えています。下段の虎口には防御のためか階段が見られず、梯子のようなもので登っていたと考えられています。

戦いの時以外は登城のための通路でもあり、主郭へ入る上段の虎口では大きな石(鏡石)を用いて立派に見せています。

虎口上段

虎口上段には門がありました。

主郭への入口にも鏡石が置かれています。

通路が折れ曲がり二重の虎口が確認できます。
主郭

主郭は城の最高所にあり、城からの比高は30mほどです。
方形に近い台形をしており、高さ4mほどの石垣が巡らされています。

随所に横矢掛かりが設けられています。

他の郭より高く丁寧に積まれているとのこと。
西郭
西郭1

西郭1では2棟の礎石建物と室(むろ)(食物を所蔵する施設)か水溜とおもわれる石組み遺構が見つかっています。

他の郭と比べて傾斜が緩くなっています。

麓からよく見える部分には大きな石が使われているとのこと。
西郭2

西郭からは天目茶碗や砥石、釘などが出土しています。
南郭

南郭は山裾に築かれています。
主に生活の場であったと考えられています。
西郭3

建物の礎石やかまど跡も見つかっています。
縄張図

【所在地】熊野市紀和町赤木字城山(標高230m)
【登城日】2018年5月3日
まとめ
平山城としてはとてもコンパクトで、登りやすいお城です。
登城口から主郭、西郭、南郭と登って降りるだけなら20分もあれば十分です。
見どころとしては、藤堂高虎の築いた虎口の石垣です。
野面乱層積みの石垣と鏡石は見ごたえがあります。